裕は駐在員としてパリに勤務している。
でもコロナの影響で、帰任することになるかもしれない話が出始めた。
日本に帰ってくれば住んでる場所は近くなるけど、裕に自由な時間はなくなってしまう。
今のような頻度でLINEや電話はできなくなる。
それに家族と一緒にいれば寂しくなくなるから、私の存在価値がなくなってしまうのではないかと思ってしまう…
私は思わず裕にこう言ってしまった。
「日本に帰ってきても、私はずっと一緒にいて大丈夫?」
「物理的にはもちろん限界あるけど、心はずっと一緒でしょ?」
「家族が近くにいたら、私は必要なくなったりしない?」
「ならないよ。約束する。あなたは必要です」
それでも私は不安が拭えなかった。嫌なことばっかり考えてしまう。
「もう一度聞くよ…裕ちゃんにとって、私は必要?」
「必要かどうかというより、俺は雫を守るって約束したでしょ?ずっと守るって言ったよ」
「信じていいんだよね?」
「信じて」
「裕ちゃんはどうして、私を守ってくれるの?約束したから?」
私のその問いに彼は即答で
「愛してるから」
「愛する人を守るのは、当たり前でしょ?」
そう言ってくれた。
この「愛してるから」の一言をLINEで見た時、私は涙が止まらなかったんだよ。
そんなこと、あなたは知らないよね。
私がどれだけあなたのことを愛しているか…必要としているか…
わかってね。
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