過去の話

過去の話⑦

私が好きになった元ギャンブル依存症のAさんは、闇を抱えている人だった。

数年間、プライベートでもほとんど笑ったことがないと言っていた。

でも私とLINEしていると、すごく楽しそうにしてくれる時があったから、私はただ笑って欲しいと思っていただけだった。

人生、生きていれば楽しいこともあるよってわかって欲しかった…

私はAさんの友達になりたいと思っていたので、そのことを裕に相談した。

「雫さんの友達になりたいって具体的にどうしたいの?会いたい?」

「それは無理かな。会いたいけど、無理だよね」

「会って話しするだけ?」

「Aさんが酔ってる時に、本音言うと旦那を大事にしろって言ってるけど、雫とSEXしたいって言われた。次の日に謝ってきたけど」

「うん。多分そうなるよ。会うだけで止まらないと思うけど…」

「だから、会うことはない」

「うん。その方がいい。1回だけ、会うだけ、とかってことにはならないと思う。気持ちが高ぶってきちゃうから」

「うん…」

「じゃ、会わなくても友達関係は成り立つか…」

「私は会わないつもり。ネット上だけでも、LINEしたりとかTwitterとかで話すだけかな」

「でも、好きって彼に言ったんでしょ」

「1回言っただけで、大切な人のことを聞いてからは言ってないよ」

「1回でも言えば相手は意識する。絶対に。彼はその雰囲気を察してるんじゃないのかなぁ」

「その雰囲気って?」

「雫さんは友達になりたいと言っている。でもその裏には好意込で。それってただの友達なのかな…僕にはちょっと違う気がする。本音では我慢してるだけじゃないの?」

「それ、わかっちゃう?だから辛い…」

「わかるよ…」

「急にいなくなっちゃうのが怖いから、毎日生きているか生存確認している。おはようとおやすみって毎日LINEで言ってる」

「それは言い訳やろ。はっきり言うわ。生存確認なんて、週1…月1でもええわ」

「…」

「結局好きだからやり取りしたいんじゃないの?」

「それを悩んでる。もうやめた方がいいのか。でもやっぱり話したいから、話しかけてる」

「そうだよね…」

 

裕は私の気持ちなんて、何でもお見通しだった。

この後、裕は私に3つの選択肢を提示した。