過去の話

過去の話⑪~11月20日の夜の出来事~

2019年11月20日の夜。

それまで私はずっと、AさんにLINEでおはようとおやすみを必ず言っていたけど、裕に相談してそれをやめることにした。

LINEをやめてから3日がたった。

19日から20日にかけての夜…Aさんがブログに

「荷物をまとめました。お世話になった方達へ感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました」

と書いていた。

Twitterにも

「ごめんね。どうしてこうなるの?いつまでこんな感じなの?」と…

原因は何かわからない。

でもAさんは今まで、こんなことをブログやTwitterに書いたことがなかったから、私はどうしていいのかわからずに、とにかくうろたえてしまった。

AさんにはいくらLINEを送っても全く既読にならない。

Aさんは心に闇を抱えている。今までにも何度も死を考えたことがある人だった。

 

 

死んでしまうかも…

 

 

私は思わず、LINE電話をかけた。家には家族がいたけど、そんなこと気にしてられなかった。

Aさんは電話には出てくれない…

私はすぐに裕にTwitterのDMを送った。

「裕さん、大変なことになっちゃったかも。Aさん、出て行っちゃったみたい。連絡とれない…」

裕からの返事はなかった。

どうしていいかわからなくなってしまった私は、TwitterでAさんと共通のフォロワーさんのBさんに、私からのLINEには答えてくれないので、Bさんからも連絡をとって欲しいとお願いした。

他にもAさんが親しくしている女性のフォロワーさんにも連絡をとった。私は一度も話したことがなかったけど、その女性は親身になって話を聞いてくれた。

それでもAさんとは連絡がとれない。

ただただ生きていて欲しい。私はそう願っていた。

 

 

その後、しばらくしてからAさんからLINEがきた。

「生きているから、大丈夫」と。

私は裕に

「AさんからLINEの返事きて、とりあえず生きていました…。お騒がせしました。今日は疲れたので、寝るね。また今度、話聞いて下さい」

そうDMを送った。

最初のDMを送ってから2時間後に、裕から返事がきた。

出張に行ってて7時間かけて車で帰ってきたところだったと。

その時は11月20日の深夜2時近くだった。

 

 

その数時間後に、私達は恋人関係になる。

そうなるまでに「好きだ」とか「付き合おう」などとはどちらも言わなかった。

互いに惹かれ合う二人にとって、そんな言葉は不要だった。